「1カ月で実家をたたむ シニアのための5つのポイント」 ひとりっ子シニアの実家じまい・最終回

最終手続きも無事に終わり、「実家じまい」完了。

母の突然の入院から約4カ月が経ち、やっと怒涛の日々を振り返る余裕を持てるようになりました。今回の騒動を経験して、シニアがこの節目を無事に乗り越えていくために必要なポイントが見えてきました。

この連載の締めくくりとして、私が考える「1カ月で実家をたたむ シニアのための5つのポイント」を紹介します。

持つべきものは、やっぱり家族

母が入院し、その世話や手続きと並行しての「実家じまい」は、今思い出しても「追いつめられる」感じがいつもあり、悲壮感が付きまとっていました。「本当に間に合うのか」という不安に襲われる私を支えてくれたのは夫と娘です。


実は、片付け期間が短く人手も少ない状況だったので、当初は「業者に依頼するしかない」と考えていました。しかし、両親の暮らしてきた実家の片付けを業者任せにすることにどうしても踏み切れない強い抵抗感がありました。そんな私を見て、娘は「気の済むようにやればいい」と、仕事の休みを潰して頻繁に実家へ足を運び、精力的に片付けてくれました。本当に頼りになる戦力でした。そのお陰で、何とか短期間に済ませることができました。

夫はいつも私とセットで動いてくれましたが、最後の最後、残ってしまった使いかけの調味料などのビン類の処理にひとりで実家に出向き、奮闘してくれました。中身が中途半端に残ってしまったキッチンの細々としたモノたちは、本当に厄介だったので大助かりでした。この2人の存在はとても大きかったです。

シニアのための実家じまい5つのポイント

片付けに許されたのは1カ月でしたが、そこに住んでいないので実際はもっと短い期間です。時々ビジネスホテルに泊まりながら、ほぼ2週間で終わらせました。疲れましたが、寝込むことなく済ませられたのは、シニアという歳に甘えて工夫したからだと思います。そのポイントを5項目にまとめました。

1.シニアは短期決戦でキメル

私の場合は、仕方なく短期決戦になりましたが、「これ以上長引いたら倒れる」というのが本音です。短期だからこそ家族が集中して取り組むことができました。シニアは毎日毎日確実に老いて、出来る事が減っていきます。だからこそ集中して短期間で済ませることが、自分自身の健康のために最も重要なポイントだと思います。

2.シニアは楽してネットで情報収集

今は便利な時代になりました。インターネットで調べれば、欲しい情報がすぐに手に入ります。今回、不動産業者はもちろん、ゴミ分別ルール、ごみ処理場への地図、リサイクルショップ、着物買い取り業者などあらゆる情報を作業しながらネットで入手しました。ネットの情報は玉石混交なので心配な点もありますが、そこは長年培ったシニアの見極め力で、こちらの条件に合うものを見つけていきました。時間がないとき、これは助かります。

3.困ったときはプロに聞く

全く知識も情報もないとき頼りになるのは、やはりプロの経験知です。「家はどうやれば売れるのだろう」「いつまでに何をすればいいのか」「不用品処分費を節約するにはどうしたらいいのか」など分からないことだらけのとき、遠慮なくドンドン聞いていきました。不動産屋さんも司法書士さん、解体屋さんもとても丁寧に教えてくれました。シニアだからでしょうか。

特に良かったのは、解体屋さんに聞いた「不用品処分費節約のコツ」は絶大な効果がありました。実家の場合、「衣類・ふとん・カーテン」を徹底的に自力処分した結果、大幅な節約になりました。見積時に約26万円だった処分費が、解体直前には約4万円に、最終的には古屋解体費用に吸収されたようで、不用品処分費は0円になりました。もちろん解体費用は追加なしです。

これには、私たち3人はもちろんですが、その業者を紹介してくれた不動産担当者も超ビックリ。頑張った甲斐がありました。途中で諦めなくて本当に良かったです。

4.持て余したモノはプロの手を借りる

実は、短期間でもスランプがありました。片付けても片付けても少しも減らないモノ、モノ、モノにうんざりして、「もうイヤッ!!」と完全にやる気が失せてしまったのです。

そのとき、ネットで「便利屋さん」に目が止まりました。その時点では不用品処分は解体屋さんに頼むつもりでしたので、余分な費用が掛かることに夫も私も躊躇しました。が、そんなことを言っていられないくらい疲れ、意欲を失っていました。思い切って2tトラック分だけでも処分して「少し楽になりたい」という気持ちでした。

若い便利屋さんに助けてもらい、50個のプラスティック衣裳ケースを処分した途端にやる気が蘇ってきました。やはり、成果が見えないとやる気は確実に減っていきます。「やってもやっても全然はかどらない」という状況をつくらないことがポイントだと実感しました。

5.お金より体調優先

短期でこなすためには、それなりの経費が掛かります。高速代やガソリン代、泊りがけならホテル代、飲食費など、人が動けばお金はかかります。そして、プロに助けてもらうにはそれなりの費用が掛かります。

しかし、シニアが無理をすれば健康を害する危険性大。大袈裟に言えば命に関わる病を引き起こす可能性だってあります。作業に疲れたらしっかり休む、重いモノは可能な限り持たない(出来るだけ若い人に任せる)、夜間の車での長距離移動は控える、無理をしないで宿泊するなど、注意すべき点はいくつもあります。ひと言で言えば、「歳に甘える」ということ。大変なときだからこそ、シニアであることに甘えました。

生前整理の効果

私の「実家じまい」は、いわゆる「生前整理」です。今回の経験で強く感じるのは「母が生きているうちに整理できて良かった」ということです。というのも、母は100歳を目指しているようで、そうなると私は80歳近くになってしまいます。80歳で遺品整理など考えるだけで気が遠くなります。

また、処分の段階で母の意見を聞くことができたのも心強かったです。不用品という思い出を私なりに処分したことで、私自身の老いへの準備が一歩前進しました。

実家の整理、解体を全く目にしていない母は、「見なくて良かった」とひと言。母なりに色々な覚悟をしてこの大変化を受け入れようとしているのだと思います。人生を締めくくるのは、そう簡単な事ではないとつくづく感じます。

ここまで読んで下さったみなさん、ありがとうございました。ひとつでも参考になることがあれば嬉しいです。