シニアが実家をたたむとき、知っておきたい5つのポイント

「実家を処分したいけど、何から手を付けたらいいかわからない」
「自分も高齢者になったので、どこまでできるのか心配」
「実家の整理を子どもに負担をおわせるのは心苦しい」

シニア世代にとって親の家をどうするのかは大きな問題。いざ処分すると決めても・・・
「体力に自信がない」
「費用の負担はどのくらい?」
「どこに相談すればいいの?」
など、二の足を踏む理由がたくさんあります。しかし、そのままにしておけば、やがて子どもにその大きな負担がかかってしまいます。

ひとりっ子の私は、いろいろな事情から約1カ月で実家をたたみました。その時の経験から、シニアだから気を付けなければならないことを5つにまとめました。これから実家整理に取り掛かるシニアの方たちのヒントにしていただきたいと思います。

1 シニアは短期間で済ませる

私が実家をたたむことを決めたのは、2018年の秋。実家を出ておよそ50年がたっていました。ひとり暮らしの90歳近い母が胸椎骨折で倒れたのを切っ掛けに、「自宅近くの施設に移ってもらう」という大決心をしました。「私自身が動けるうちに、できることは今のうちにやっておこう」というのが一番の理由でした。

引き渡し期限の関係で、片付けに許されたのは1カ月。自宅から高速で往復3時間かけて実家に通いましたが、それだけで体力消耗。時々ビジネスホテルに泊まりながら実質2週間で終わらせましたが、「これ以上長引いたら倒れる」というのが本音です。短期間だからこそ家族が一丸となって取り組むことができました。シニアは毎日毎日確実に老いて、出来る事が減っていきます。だからこそ集中して短期で済ませることが、自分自身の健康のために最も重要なポイントだと思います。

2 シニアは動かずネットで情報収集

今は便利な時代になりました。インターネットで調べれば、欲しい情報がすぐに手に入ります。今回、不動産業者はもちろん、ゴミ分別ルール(自宅と実家の市が違ったため)、ごみ処理場への地図、リサイクルショップ、着物買い取り業者などあらゆる情報を片づけ作業しながらネットで入手しました。

ネットの情報は玉石混交なので心配な点もありますが、そこは長年培ったシニアの見極め力で、こちらの条件に合うものを見つけていきました。時間がないとき、これは助かります。特に不動産業者の比較サイトは、見積もりを依頼する業者選びに大いに役立ちました。

3 困ったときはプロに聞く

知識や情報が全くないとき頼りになるのは、やはりプロの経験知です。「家はどうすれば売りやすくなるのだろう」「片づけるモノの優先順位はなに?」「不用品処分費を節約するにはどうしたらいいの?」など分からないことだらけのとき、遠慮なくドンドン聞いていきました。不動産屋さんも司法書士さん、解体屋さんもとても丁寧に教えてくれました。シニアだからでしょうか。

特に良かったのは、解体屋さんに聞いた「不用品処分費節約のコツ」は絶大な効果がありました。私の場合、「衣類・ふとん・カーテン」を徹底的に自力処分した結果、大幅な節約になりました。見積時に約26万円だった処分費が、解体直前には約4万円に、最終的には古屋解体費用に吸収されたようで、不用品処分費は0円になりました。もちろん解体費用は追加なしです。

これには、その業者を紹介してくれた不動産担当者も超ビックリ。頑張った甲斐がありました。途中で諦めなくて本当に良かったです。

4 持て余したモノはプロの手を借りる

実は、短期間でもスランプがありました。片付けても片付けても減らないモノ、モノ、モノにうんざりして、「もうイヤッ!!」と完全にやる気が失せてしまったのです。

そのとき、ネットで「便利屋さん」に目が止まりました。その時点では不用品処分は解体屋さんに頼むつもりでしたので、余分な費用が掛かることを躊躇しました。が、そんなことを言っていられないくらい疲れ、意欲を失っていました。思い切って2tトラック分だけでも処分して「少し楽になりたい」という気持ちでした。

遠くから来てくれた若い便利屋さんに助けてもらい、50個あまりのプラスティック衣裳ケースを処分した途端にやる気が蘇ってきました。やはり、成果が見えないとやる気は確実に減っていきます。「やってもやっても全然はかどらない」という状況をつくらないことがポイントだと実感しました。

5 お金より体調優先

短期でこなすためには、それなりの経費が掛かります。高速代やガソリン代、泊りがけならホテル代、飲食費など、人が動けばお金はかかります。その上、プロに助けてもらえば余分に費用がかかります。

しかし、シニアが無理をすれば健康を害する危険性大。大袈裟に言えば命に関わる病を引き起こす可能性だってあります。作業に疲れたらしっかり休む、重いモノは可能な限り持たない(出来るだけ若い人に任せる)、夜間の車での長距離移動は控える、無理をしないで宿泊するなど、注意すべき点はいくつもあります。ひと言で言えば、「歳に甘える」ということ。大変なときだからこそ、シニアであることに甘えました。

まとめ

私の実家じまいは、いわゆる「生前整理」です。この経験で強く感じるのは「母が生きているうちに整理できて良かった」ということです。というのも、母は100歳を目指しているようで、そうなると私は80歳近くになってしまいます。80歳で遺品整理など考えるだけで気が遠くなります。

また、処分の段階で母の意見を聞くことができたのも心強かったです。不用品という思い出を私なりに処分したことで、私自身の老いへの準備が一歩前進しました。

実家の整理、解体を全く目にしていない母は、「見なくて良かった」とひと言。母なりに色々な覚悟をしてこの大変化を受け入れようとしているのだと思います。人生を締めくくるのは、そう簡単な事ではないとつくづく感じます。

ここまで読んで下さったみなさん、ありがとうございました。ひとつでも参考になることがあれば嬉しいです。