「思い出整理は思い切りが肝心」 ひとりっ子シニアの実家じまい⑤

実家の整理は体力勝負ですが、精神的に疲れるのが「思い出整理」。

「捨てるに捨てられないモノ」をどうやって処分していくのか。

悩みに悩んだ経過を書いていきます。

「思い出の品」はどんなモノ?

不用品には「処分」「保管」の判断が容易につくモノとそうでないモノがあります。なかなか判断がつかず悩むのが、「写真」「賞状・盾」「手帳・日記」など。


これらはただのモノではなく、思い出が詰まっているのでとても厄介です。

そして、それを大切に取っておいた母が同席しない状況で判断していくので、迷い悩み、精神的にとても疲れました。反面、本人ではないからこそ、思い切ってできたことでもあります。

「写真」は、次の世代に伝えたいモノだけ残す

衣類を片付け床が見えてきたとき、机の下から菓子箱に入ったバラバラの写真がたくさん出てきました。8年前に亡くなった父の笑顔が、突然目に飛び込んできます。それらにイチイチ反応して感傷に浸っていては、いつまでたっても整理できません。そこで、私が子どもたちに残しておきたい写真を選んで、それ以外は処分することにしました。

アルバムも古いものから新しいものまで、本箱にギッシリ並んでいます。これらも、バラ写真と同様の基準で整理していきました。母の踊り関係のアルバムは、ほとんど知らない人が写っていたので迷うことなく処分。母が舞台で踊っている写真は、いつでも見られるように施設の部屋に持ち込みました。

その他の取っておきたい写真やアルバムは、箱詰めして自宅へ。古いチェストを「母専用思い出コーナー」にし、その中に納まるモノだけを厳選して、それ以外を更に処分しました。

「賞状・盾」は、もらった本人が残したいモノだけとっておく

実家には、母の踊り関係で頂いた賞状額や盾がズラリと飾ってありました。しかし、その価値が分かるのは本人だけ。目ぼしいモノだけを施設に持って行き、残したいモノを選んでもらいました。ところが折角運んだものの、「取っておく」と言ったのは、盾ひとつだけ。今まで捨てられなかった割に執着心がない事に驚きました。

私が学生時代にもらった賞状は、額から出して自宅へ。中学時代に取った「英検3級」の合格証が出てきて、何となく嬉しい気持ちになりました。

「手帳・日記」はストレスのタネ

私の母は、いわゆる「メモ魔」。手帳はもちろん、折り込み広告を小さく切ってメモ帳にし、至る所にメモ書きがありました。その中には大切な覚書もあり、そういうモノはサッサと捨ててしまう訳にはいきません。ひとつひとつ目を通し、整理していきました。

そうこうしている内に、何冊もの日記帳が出現。軽い気持ちでメモ帳同様読み始め、すぐに後悔しました。日記は、出来事だけでなく感情も記録されていたからです。ザッと読み進めていくと、こちらの感情を逆撫でするような内容がいくつも出てきます。日記ですから当然と言えば当然ですが、それが何十年分もあると「もう勘弁して」という気持ちになります。それでも私が知っておくべき重要な事が書かれているかもしれないとザックリ目を通し続けましたが、読後感は最悪。重~い気分になりました。

やはり、手帳や日記は、身内といえども第三者が読むモノではありません。整理する人は「読まない」、残す人は「判断できるうちに定期的に処分する」ことをお勧めします。家庭内の平和のために。

「ラブレター」発見。どうしたらいいの?

押し入れを整理していた娘が、天井近くの棚から紙の束を発見。触るとボロボロ崩れてきそうな黄ばんだ紙は、かなり虫食いの跡がありました。

紐を解いて、そっと開いてみて驚きました。私の生まれる前、70年前の両親のラブレターでした。子どもの頃から「親に大反対されて、駆け落ち同然で結婚した」と聞いていたので、両親の大恋愛物語は何となく知っていました。その証拠の品が出てきたのです。

破らないように細心の注意をはらって開いて読むと、若い頃の両親がいかに情熱的だったかが分かりました。しかし私も60代半ば、熱い思いのやり取りに3通ほどでゲンナリ。とはいえ、さすがに捨てられず、束を縛り直し防虫剤をたっぷり入れてビニール袋でしっかり封印。「母専用思い出コーナー」に仕舞い込みました。

思い出の品は、他人にとってはただのゴミ

これらのモノを片付けていて気付いたこと。思い出の品は「量より質」。自分で整理できなくなる前に、この先の人生を楽しく出来る厳選したモノだけを残し、後は自らの手で処分することが肝心です。でないと、それらの価値が理解できない他人にとっては、全てがただのゴミになってしまいます。

本人が出来ない状況で仕方なく処分役になった私にとって、「思い出整理」はかなりストレスがたまることでした。でも、仮に母が大決心しても結局は捨てられなかっただろうと思うと、やはりこれは子どもの役割かなとも思います。ともあれ、身体の疲れと精神的ストレスでヘトヘトになる厄介な作業でした。

次回は、着物の処分について書く予定です。