驚きの結末・・・「てるみくらぶ」倒産騒動のその後

2017年3月に突然起こった「てるみくらぶ倒産」という大騒動。私たち夫婦は3月29日から4月5日まで、てるみくらぶ主催の「ポーランドとおとぎの国チェコ8日間」というツアーに参加する予定でした。それもビジネスクラスで。ガイド付きおまかせ旅行のつもりでしたので、事前準備ゼロ。それはそれは焦りました。

しかし、まぁ、それでも何とかなるものです。全く予期していなかった事件に巻き込まれても無事に旅を終えることができました。

ただ、問題は旅行の後の事後処理です。旅行中も「支払った旅行代金はどうなるんだろう?」と気が気ではありませんでした。突然のトラブルがどのように決着したのか。みなさんの参考になればと思い、ここに書いておきます。

てるみくらぶ倒産がくれた貴重な経験

倒産のニュースを知って多いに焦ったものの、 3日間でネットを駆使してホテルや鉄道の指定席、オプショナルツアーの予約を完了した私たち夫婦。こんなチャレンジャーは私たちだけかと思いましたが、名古屋の集合場所でひと組みの母娘と合流しました。さすがに私たち2組以外はキャンセルしたようでしたが、旅の道連れができてとても心強かったです。

エミレーツの担当者に聞くと「たぶん、自粛して来ない人が多いと思います」とのこと。そのとき出会った母娘ペアも私たちと同じツアーの参加者で、やはりホテルなどを個人手配して参加したとのこと。ただ、このペアとは集合場所で挨拶を交わしたくらいで、その後は完全に別行動でした。同じツアーですから本来ならずっと一緒なはずですが、急遽、個人旅行になってしまったために旅程も飛行機だけが同じで、あとはそれぞれの好みで変更したようでした。

その後、帰国して関西空港から名古屋までの送迎バスで再び母娘ペアと合流。それぞれの旅の報告をしたところ、私たちとは全く異なる旅を楽しんだようでした。何より驚いたのは、当初のプランにはなかったプラハからドイツのドレスデンまで足を延ばしたそうで、毎日2万歩以上歩いたとか。私たちは1日平均1万歩程度でしたので、そのフットワークの軽さにビックリ。旅の興味やスタイルは人それぞれ。そして、その気になれば意外と簡単に自分好みの旅アレンジが出来ることを実感しました。

こうして、てるみくらぶ倒産という驚きの事件からスタートした私たちのポーランドとチェコの旅は、現地の素晴らしさもさることながら、最後まで「自分ペース観光」を続けられたことがとても良かったと思います。それから、今回の一番の目的であるビジネスクラスを体験できたことで、出発前にあれほど強かった「てるみくらぶ」への批判的な気持ちは半減しました。

倒産で旅行費用はどうなるの?

実は、ツアー料金とは別に保険については、旅行前に少々すったもんだがありました。てるみくらぶに申し込んだとき、合わせて「チェコ入国には保険加入が必須」との連絡があり、言われるままに申し込みました。航空券以外は全て無効になったと知り、保険証書が手元に届いていましたが、念のため保険会社に問い合わせたところ無効とのこと。返金について尋ねてもはっきりした答えはもらえませんでした。海外旅行保険は、旅行者の命綱です。「証書があるのに、なぜ、だめなの?」と、ぜんぜん納得いきませんでしたが、保険未加入の状態で出発するわけにはいきませんので、改めて別会社の保険に入り直しました。その後、海外旅行保険の料金は、返金してもらえることになりました。

帰国後、やはり気になったのはお金の問題。「てるみくらぶの責任はどうなるの?」ということ。出発前に「一般社団法人日本旅行業協会」に「弁済業務保証金制度」を受けるための手続きをしました。ところが、その後の情報で保証金が出たとしても微々たるものだということを知りました。旅自体は満足いくものでしたので、てるみくらぶに対する憤りは、出発前のそれとは比べ物にならないほど小さくなっていました。微々たる金額のために面倒な手続きを続けるかどうか、とても迷いました。

カードに救われた窮地

そのとき、カード払いの人は、カード会社に相談した方が良い」との情報を得て、カード会社に電話。事情を説明し、実際に使った費用の明細などを提出して検討してもらうことになりました。私たちとしては、本来旅行代金に含まれていたものの中で、せめてホテル代などの実費負担したものについては返金してもらいたいという思いでした。とはいうものの、半年以上も前に引き落とされたものにどう対処してもらえるのか、正直、全く期待していませんでした。

ところが、8月末にカード会社から「旅行代金全額を返金します」との連絡がありました。「エーッ、全額?」と、夫婦揃ってビックリ仰天。翌月のカード明細を確認すると、約60万円の代金が全て戻っていました。この時ほどカードの有難さを感じたことはありません。現金で支払った人たちは戻ってこなかったようなので、やはり、カードの補償はスゴイとしか言いようがないです。

結局、当の「てるみくらぶ」からは1円も戻りませんでした。なんとなく釈然としない終わり方ですが、私たちとしてはカードに救われたことで金銭面での怒りは消えました。

まとめ

というわけで、私たちの「てるみ旅」は驚きの結果で完結しました。本当に、最初から最後までドキドキでしたが、メチャクチャ面白い旅でもありました(旅行代金が戻って来たこともあり・・・)。ともあれ今回の騒動が、私たちの人生にとって滅多にない貴重な経験だったことは間違いありません。

これ以降、海外旅行は個人手配することが増えました。事前のリサーチをしっかりするようにもなりました。やはり人まかせの旅行ではなく、自分たちのペースで自分たち好みの場所に行けるのはとても楽しいことです。旅の質がちょっと上がった気分です。

ところで、この騒動の1年後に参加したエジプトツアーで出会ったご夫婦は、偶然にも「てるみ騒動」の被害者でした。カード払いだったのに返金請求をあきらめていたようでしたので、「あきらめずにカード会社に相談した方がいい」とアドバイス。その後無事、返金されたそうです。1年たっていても、カードは強い味方になってくれますね。

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