ポーランドのワルシャワに行くなら、市内観光ツアーは現地調達がおすすめ

ポーランドのワルシャワと聞いて何を思い浮かべますか?

恥ずかしながら私は現地に行くまで全くと言っていいほど、知識がありませんでした。あえて言うなら、目的地である世界遺産「ヴィエリチカ岩塩坑」へ行くための中継地という認識でした。しかし実際に行ってみると、心を揺さぶられる歴史や街並みがありました。

ワルシャワは初めて訪れる街でしたので、日本を出発する前に日本語ツアーを探しましたが、どのツアーも受付期限を過ぎていて予約不可。しかたなく現地調達となりました。ワルシャワに到着した日に申し込んで翌日に参加。説明は全て英語でしたが、現地ガイドさんの熱心な案内で有名観光地を効率よく回ることができました。さまざまな国の人たちとマイクロバスに乗って巡るツアーは、日本人ばかりのツアーとは違う雰囲気を味わえ、その上お手頃の料金でとてもよかったです。おすすめですよ。

ポーランドの伝統料理「ピエロギ」のお味は?

ワルシャワに到着したのが2017年3月30日の正午過ぎ、荷物を受け取ってすぐにタクシーでホテルへ向かいました。私たちが泊まったホテルは「ノボテル ワルシャワ ツェントラム」。一応、4つ星ですが部屋の中 (特にバスルーム) は、古さが目立ちました。窓からは文化科学宮殿という奇妙な装飾が施されている建物が目の前に見え、その向こうにはワルシャワ中央駅。部屋で休憩をとり、早めの夕食へ。

時刻は17時前。外はまだ明るく夕食には早すぎましたが、取りあえず夫がガイドブックからチョイスしたホテル近くの「スウォイク」というお店へ。スタイリッシュなカフェレストランということでしたが、確かに若者好みのオシャレな雰囲気でした。そこで注文したのが、「ピエロギ」。ご当地の伝統料理No.1に輝く「ポーランド風餃子」です。私たちが選んだのは、中身がホウレンソウのピエロギ。サワークリームをつけて食べるのですが、水餃子とサワークリームという、かなりチャレンジングな取り合わせの感想は「不味くはないね」。酢醤油だったらもっと美味しかったと思います。ワルシャワでは、どこに行ってもメニューにピエロギがあり、本当にポピュラーな料理だということが分かりました。

柱の中にショパンの心臓があるという「聖十字架教会」

その日は、夕食後にショパンの心臓が眠る「聖十字架教会」まで散策。閉館ギリギリに飛び込んで見学しました。その柱には特別にスポットライトが当たっていて、すぐに分かりました。教会内部は夕暮れということもありかなり暗く厳かな雰囲気でした。ここまでの長旅の影響で気力はすっかり萎え、この日はこれでおしまいです。

旧市街の復元は、市民の誇り

2日目は、ホテルのコンシェルジュに予約してもらった「City Tour of Warsaw (半日市内観光)」へ。前日の夕方に申し込んで、翌日の10:00にホテルまで迎えに来てくれたマイクロバスに乗り込んだら、既にほぼ満員。ヨーロッパ系やアラブ系など国際色豊かな人たちが、狭い車内に静かに座って待っていました。日本人は私たちだけです。

多国籍の観光客でギュウギュウ詰めのマイクロバス

ガイドの男性は、とてもまじめで熱心。「そこは簡単でいいよ」というところまで、細かく丁寧に説明してくれました。ただし、私の英語力では半分以上、理解不能。それでも短時間に不案内な場所をいろいろ見て歩くにはベストな選択だったと思います。ツアー料金は2人で70€。かなり充実した内容でしたのでお得感がありました。

参考
詳しくは、

Warsaw City ToursのWARSAW MORNING SMALL GROUP CITY TOUR WITH HOTEL PICK UP & DROP OFF」をご覧ください。
https://warsawcitytours.info/tours/morning-warsaw-city-tour

市民のお金で復元した美しい街並み

パンフレットに2~3時間と書いてあったので、そのつもりでいたところ、たっぷり4時間はかかりました。毎年夏にショパン像の前でコンサートが開かれるワジェンキ公園の広い敷地内をゆっくり歩き、旧市街では点在する見どころを一つひとつ見て歩きました。特に旧市街は、第2次世界大戦で壊滅状態だったところを市民の寄付で昔の姿に復元したそうで、「政府のお金ではなく、市民のお金で復元した」と熱心に語るガイドの顔は、誇りに満ちていました。

街角に立つ「MUZEUM WARSZAWY(ワルシャワ博物館)」

そのほか、ワルシャワ蜂起記念碑ワルシャワゲットー(ユダヤ人隔離地域)記念広場など、忘れてはいけない戦争の歴史が、今なお、身近な記憶として残っており、またそれを残していかなければならないという人々の思いが、熱いガイドさんの語りから伝わってきました。これは、日本語ガイドでは感じ取れない感覚だったのかもしれません。

活発な質問にカルチャーショック

4時間の観光中、短いトイレ休憩のほかは歩きっぱなしで、もちろんフリータイムなし。母語が英語ではない人たちもいたようですが、行く先々で質問が飛び交い、遠慮がちな日本人ツアーに慣れた私にはとても新鮮でした。説明するガイドも真剣なら聞くお客もまた真剣という感じ。このような積極的な観光の様子を見て、これまでいかに受け身の旅行をしてきたのかということを痛感しました。短時間のツアーでしたが1日ツアーと同様の充実感がありました。

まとめ

ポーランドとチェコ8日間の旅の最初の目的地であるワルシャワでは、戦後の復興を自らが進めてきたという市民の誇りを感じました。よく分からない英語の説明でもそれだけは強く強く伝わってきました。また、いわゆる観光地である旧市街に戦争で破壊された街の様子を写真で伝える広告塔のようなものが各所に立っており、その「戦争を決して忘れない、忘れてはいけない」という姿勢に感心しました。美しい街並みだけではない観光のあり方を改めて学びました。

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