初めてのエミレーツ「ビジネスクラス体験」

私たち夫婦が初めてエミレーツ航空のビジネスクラスに搭乗したのは、2017年3月29日。「てるみくらぶ」が倒産しても敢えて旅に出たのは、このビジネスに乗るためといっても過言ではありません。それほど楽しみにしていましたが、突然の倒産騒ぎに巻き込まれたせいで空港に到着するまでに疲労困ぱい。体調が悪くても何とか旅程をこなせたのは、ビジネスクラスで飛行時間をゆったり過ごせたお陰だったと思います。シニア旅に優しいエミレーツ航空のビジネスクラス搭乗体験を書きます。

ビジネスクラスはシニア旅にぴったり?

エミレーツのビジネスクラスのシートはとてもゆったりしていて、前のシートとの間隔が広い(当たり前?)。エコノミーに慣れている私は、足元があまりにゆったりしていて落ち着きません。シートは、「離発着」「くつろぎ」「おやすみ」の3つのモードがあり、くつろぎモードは、背もたれが倒れ、足置きが上がってきます。ソファーに腰かけ、オットマンに足を乗せているような感じです。おやすみモードはフルフラットの状態になるので、ベッドで横になるのと一緒。CA(キャビンアテンダント)が、ベットマットを敷いてくれるので寝心地抜群です。ただし、往きの飛行機は2列席で隣の人の動きがよく見えました。

隣がよく見えるのでふたり連れにピッタリ

搭乗直後にシャンパンなどのウェルカムドリンクのサービスがあり、間髪入れず「朝食」を何にするのかを聞かれました。その日は、昼食に名古屋駅できしめんを、夕食に関空で鴨ざるそばを、夜食にサクララウンジでサンドウィッチを食べたので、次の朝食のことなど考えられません。その上、朝食の前に軽食が出てきてしまい、正直「ウプッ」という状態。それでも、何にするか決めなくてはならず、困ったときの「和食風」をたのみました。夫はシャンパンやワインを遠慮なくお替りしてご満悦。私は、どんどんひどくなる頭痛に気分は落ち込んでいきました。

お楽しみは映画と食事?

機内での楽しみは映画を見ることで、日航だと未公開作品を日本語で観ることができますが、エミレーツではアジア作品の中にほんの少し邦画が混じっている程度。ほとんどが英語です。英語を聞き取る気にもなれず、さっさとシートを「おやすみ」モードに倒して目を閉じました。

和食風の豪華な朝食

朝食時間に夫に起こされ、食欲もないのに無理やりお食事タイム。機内では、いかに食事量をセーブするのかが、その後の旅の快適度を決めるカギだと思います(特にシニアにとって)。次から次に出てくる機内食を全て食べていては、真っ先に胃が疲れてしまいます。そういうものの、根が卑しいためか、出されれば手を付けてしまう悲しい習慣。その上、ビジネスクラスの機内食は、白い布のナフキンが敷かれた上にちゃんとした食器に盛り付けられた美しいセッティングで、ついつい箸をつけてしまいましたが、味は確かに「和食風」。完食とはいきませんでした。

ドバイのビジネスラウンジは超快適

さて、翌日の早朝、5時過ぎにドバイに到着。約3時間の待ち時間の後、ワルシャワに向けて出発します。初めて降り立ったドバイの空港はとても広くてきれい。いつもだったら、トランジットの間はお店を見て歩くのが楽しみですが、今回はラウンジへ直行。行ってみて驚きました。ラウンジといっても部屋ではなくフロア。夫によると「1㎞はある」というほど、ズズズーッとラウンジが続いています。

長~い通路に沿ってくつろぎ空間が続いています

そこには、国際色豊かな軽食やフルーツ、アルコール、ソフトドリンクが食べ放題、飲み放題。フリーwi-fiやシャワーもあり、間仕切りの向こうには寝そべることができる簡易ベッドも置かれていました。これらが全てフリーで利用できるとは、ビジネスクラスって結構お得かもと思いました。私が気に入ったのは、おしゃれな瓶に入った炭酸水。外国の水とは思えないほど美味しく感じました。

再び、エミレーツのビジネスクラスで、ドバイからワルシャワへ移動。今度の飛行機は少々小さ目。シートは先ほどのものと同じです。離陸後、夫はリクライニングが動かないということで、離れた席へ移動。通路を挟んだ隣の席の女性は、見るからにビジネスウーマンという感じで離陸から着陸までずっと何かを執筆。こういう人のためにビジネスクラスはあるんだなと納得しました。

私はというと、いっこうに頭痛が治らず胃もムカムカしてきたため、鎮痛薬と胃薬を飲んで横になりました。なので、折角のビジネスでしたが機内食などのサービスを全て断ってひたすら睡眠。その甲斐あってか、ワルシャワに着く頃にはだいぶ回復できました。

ビジネスクラスは送迎付き

実は、エミレーツにはビジネス以上の乗客に対して到着空港からホテルまでの送迎サービスがあります。事前に一応申し込んでおいたものの、連絡が行違ってしまったようでワルシャワでは利用できませんでした。このサービスを知ったのは、エミレーツについての口コミを読んでいたとき送迎についての書き込みを見つけて、早速、ダメ元で依頼しました。団体ツアーでは利用できないサービスなので、試してみたかったのです。

往きはダメでしたが、帰りのプラハのホテルにはちゃんと迎えに来てくれました。本当に有難かったです。ホテルで待っていると、黒塗りのベンツがお迎えに。いわゆるハイヤーというのでしょうか、運転手さんもワルシャワのタクシーとは違い、とてもきちんとしていて丁寧な対応でした。おまけにペットボトルのミネラルウォーター付き。空港までの道のりがかなりゴージャスなものになりました。

個室感半端ない「空飛ぶホテル」

帰りの飛行機は往きと同じくエミレーツのビジネスクラスでしたが、プラハからドバイは「エアバスA380型機」に乗りました。この飛行機は、「空飛ぶホテル」と言われているそうで、飛行機の2階がファーストクラスとビジネスクラス。ビジネスは「ミニポッド」型と言われるフラット・ベットシートが76席もありました。ひとつひとつがほぼ個室のように配置されていて隣の人の顔は見えません。ひとりで好きな時に好きなことができます。

分かりづらいですがほとんど個室のシート

ただ、各席が独立しているため子どもは不安になるのか、シートベルトサインが消えると母親の席にベッタリ貼り付いている女の子がいました。折角の豪華な座席も、もともとビジネス客仕様なので、子ども連れには不向きなようでした。

そして、圧巻は機内食です。これまで機内食が美味しいと思ったことは一度もありませんでしたが、ここで出てきたステーキは本当に美味しかったです。「これが機内食?」と思ったほど。旅の疲れが吹き飛ぶような気がしました。

この旅で最も美味しかったステーキ

まとめ

最初で最後(?)の私たちのビジネスクラス体験でしたが、「それだけの価値がある」と思いました。特に、空港とホテル間の送迎やラウンジ利用、優先搭乗など、シニアに嬉しいサービスがいろいろ付いていて感激しました。これからもっと歳を重ねて飛行機に乗るチャンスがあったら「絶対ビジネスに乗る!!」と決めました。