「てるみくらぶ倒産」でも決行したポーランドとチェコ旅行

2017年3月下旬に突然巻き込まれた大事件。それは、「てるみくらぶ」の倒産です。

それまで海外旅行と言えば、手軽で安心な団体ツアーを利用していましたが、この騒動を切っ掛けに個人手配に切り替えました。意外と何とかなるものです。それどころか、シニアには個人旅行が気楽で楽しいことを発見。ツアーの過密スケジュールに振り回されることなく、行きたい所に行き、見たいものを心ゆくまで見ていることができるのは、個人の旅ならではの自由さです。

コツさえつかめば、自分らしい旅が簡単にできてしまいます。団体ツアー頼みだった私たち夫婦が、てるみ倒産後のたった4日間でどのように準備したのかを読んでいただき、みなさんが個人旅行のプランを立てるときのヒントにしていただきたいと思います。

出発するのか止めるのか?
「てるみくらぶ倒産」で大慌て!!

てるみくらぶ主催の「ショパンの愛した魅惑の国周遊 ポーランドとおとぎの国チェコ8日間」に申し込んだのは、2016年8月。それから7カ月、とっくに銀行の引き落としは終わっていました。

2017年3月24日(金)の夜、初めての中欧旅行を控えのんびりと報道ステーションを見ていると、突然、「てるみくらぶ事業停止」というニュースが目に飛び込んできました。「エッ?」「エーーッ!!!」と驚いた後、しばらく「・・・」。何が起こったのか理解不能の状態でした。「どうしよう!!」から始まったドタバタ旅でしたが、ホテルや列車の予約などをまる3日間で済ませました。大きなトラブルに巻き込まれても、たった4日しかなくても「行くっ!!」という気持ちがあれば何とかなります。

ちなみに、このツアーは8日間で10万8千円とあり得ないくらい格安で、その上至れり尽くせり。5泊(3カ所)するホテルは全て四つ星、全14回の食事が付いていて、見どころは全部連れて行ってくれる「追加オプショナルツアー一切なし」という内容です。今考えると、正に「倒産前の大判振る舞い」。「そりゃあ、倒産するよなぁ!」。不運にも9つの設定日の最終日に申し込んだために、大事件に巻き込まれてしまいました。

そもそも私たちがこのツアーに申し込んだ理由は、プラス20万円で「全区間ビジネスクラス利用」ができるというところ。一度でいいから、どうしてもビジネスクラスで旅してみたかったのです。初めて申し込んだ旅行社がいきなり倒産してしまい大慌てでしたが、何とか出かけた旅先ではマイペースにとても充実した時間が過ごせました。「なぁ~んだ、私たちにも個人旅行できるじゃん」という大きな意識変化と自信が生まれたことがこの旅の一番の収穫でした。

4日間でチャチャッと準備?

3月25日(日)
航空券を確認して出発決定!!

出発は29日。「あと4日しかない。どうなるの?」と不安でしたが、「てるみくらぶ」に 何度電話してもつながらない状態が続きました。運よく航空券の「eチケット控」は既に受け取っていましたので、航空会社のエミレーツに確認。往復とも「確定済み」とのことで、「念願のビジネスに乗れるなら行くしかない」と出発決定!!

3月26日(月)
ホテル探し→予約

まず最初にしたことはホテルの確保。夫婦で手分けして探し始めました。当初のツアーでは、ワルシャワ1泊、クラクフ2泊、プラハ2泊というスケジュールでした。航空券しか使えない状況になってしまったため、ワルシャワ空港到着からプラハ空港出発までの旅程は自由になりましたが、アレンジの仕方が分からず結局、当初のプラン通りにホテルを予約。泊まるところを確保できひと安心。

3月27日(火)
交通手段予約

ワルシャワからクラクフは現地で切符を買うことにし、クラクフからプラハはネットで見つけた「 LEO EXPRESS 」を予約。クラクフのバスターミナルからバスで出発し、途中から電車に乗り換えますが、全行程がセットになっていてとても楽ちん便利、そして安かったです。

クラクフとプラハを結ぶLEO EXPRESS
3月28日(水)
オプショナルツアー予約
スーツケースに荷物を詰める

ホテルと交通手段の予約を済ませた後は、どうしても行きたかった「ヴィエリチカ岩塩坑」を見学するオプショナルツアーを予約。日本語ツアーはなく、仕方なく英語でガマン。その他にもクラクフでピアノ演奏を聴くツアーも予約し、だんだんと旅行気分が高まってきました。最後にいつもの荷物をいつも通りスーツケースに詰めて準備完了。

圧巻の光景に息をのむ「ヴィエリチカ岩塩坑」
3月29日(木)
いよいよスタート


名古屋駅集合→関西空港へバス移動→エミレーツでワルシャワへ(ドバイ乗り継ぎ)

ホテルはネットでサクッと予約

当時のニュースで、現地に到着したもののホテルがキャンセルになって困っている人たちのことが報じられていたので「ホテルはダメだろう」と思いつつ、ダメもとで現地ホテルへメールと電話で確認しましたが、やはり予約は入っていませんでした。

ホテル探しは、夫婦で分担。夫はワルシャワ、私はクラクフとプラハを担当。1泊目の夫は、旅行社の予定と同じ「ノボテル ワルシャワ ツェントラム」をホームページで予約。私は、以前利用したことがある「Booking.com」で、「前払い不要」「キャンセル無料」の4つ星ホテルを検索し、口コミを確認してターゲットを絞っていきました。そして選んだのが「アンデス バイ ウィーン ハウス クラクフ」。ここは、駅に隣接した大型ショッピングセンターの隣にあり、ロケーション抜群。写真を見る限りでは、建物も新しく清潔そうだったので、2泊分を即予約。初めての場所で到着時間が遅くなる可能性が高いときは、駅に近い事が必須条件。見知らぬ土地で暗い道をスーツケースを引きずりながらさまようのはかなり危険ですから。

さて、4、5泊目のプラハでは、どうしても泊まりたいホテルがありました。それは「レジデンス ウ チェルネオ オーラ」。カレル橋近くにある貴族の館を改装したホテルです。ここは、以前読んだ『Soliste[ソリスト]おとな女子 ヨーロッパひとり旅』(寺田和代著・角川e文庫)で紹介されていて、以来、「いつかここに泊まりたい」と思っていました。「Booking.com」で検索した結果、空室アリ。こんな状況の中で私の小さな夢が実現するとは、予想外の展開でした。そんなこんなで案外すんなりとホテルは確保できました。

どうしても泊まりたかったプチホテル

交通手段はひたすらネットで探しまくる

次は、移動手段です。具体的にはワルシャワからクラクフまでとクラクフからプラハまでの移動をどうするのかです。ツアーでは、全てバス移動なので楽ちんですが、個人で行くとなるとそうはいきません。

ワルシャワからクラクフまでは電車で移動することにして、問題はクラクフからプラハへ何で移動するかです。何もかも全くわからないので、とりあえず「クラクフからプラハ 行き方」と打ち込んで検索。ズラッと並んだ項目から「【保存版】クラクフ―プラハ間の新定番LEO EXPRESSを解説!!」というサイトを見つけました。これは、バスと電車を乗り継いでプラハまで行くルートで、ネットで予約でき、なんと座席指定までできます。早速、説明を見ながら打ち込んで予約完了。これもまた、意外と簡単でした。

ゆったりしたバスで移動も快適

まとめ

突然巻き込まれた大事件のおかげで、ホテルや交通手段を個人手配しなくてはならなくなりましたが、ネットを使えば意外と簡単に予約できました。

航空券は、てるみ倒産時には既に手元にありましたので、ホテルと交通手段、オプショナルツアーの予約をネット検索だけで済ませました。本当に便利な時代になったものです。突然の事態にあわてたものの、何とか元々のツアー行程に近い旅を準備することができました。

当時は、①「航空券」②「ホテル」③「交通手段」④「オプショナルツアー」の順で予約しましたが、現在はホテルを押さえてから航空券を購入することが多くなりました。ホテルは、割高にはなりますが「キャンセル無料」+「現地払い」の条件の中から、駅近のロケーションのホテルを選んでいます。

宿泊先は料金が安いことも大切ですが、シニアのふところ具合に合わせた「安全」「安心」「清潔」の3つのポイントを備えたホテル選びを心がけています。また、航空券は料金が時期によって変動するのでこまめにチェックして購入するようにしています。

個人の旅行はプランづくりが一番大変であり楽しい作業です。この旅行は、てるみくらぶのスケジュールを下敷きにしてアレンジしたので4日間でも準備できました。しかし、ツアーガイドまかせのつもりだったので、旅行先についての下調べが全くできていませんでした。そのため、現地の良さを充分に堪能できなかったことがとても残念です。個人旅行を楽しくするカギは何といっても十分な事前リサーチです。リサーチ不足では、旅先の魅力を発見することもままなりません。

ところで後日談ですが、支払い済みの料金は全額戻ってきました。なぜなら、カード払いだったからです。カード会社が全て補償してくれたのです。このときほどカードのありがたさを感じたことはありません。カードは旅の必需品ですね。