記録は蓄積することで宝になる
~講座「課題解決のための会議のプロセスを考える」より⑦~
最後に、記録の大切さにふれておきます。
この場合の記録とは、一般に言う議事録とは異なる、会議のプロセスをどのようにデザインして、それを実施するときにどのような工夫をしたのかなどを書き留めておくもののことです。プロセスデザインの記録は、同様の課題が生まれたときに役立つのは勿論ですが、その団体や組織の活動や会議の癖を踏まえた「私たちのオリジナルデザイン集」となり、どこを探しても手に入らない貴重な宝になります。
記録の様式や取り方は自由ですが、必ず押さえておきたい項目に以下のようなものがあります。
- 会議の期間と回数、各回の所要時間
- 場所
- 使用した備品、用品
- 出席者・・・人数だけでなく、氏名も
- 会議ファシリテーターまたは進行役の氏名
- 会議コーディネーターの氏名
- 協議する課題
- 目指すゴール
- 会議のプロセス・・・プロセスを考える上で工夫した点、苦労した点も書いておく
- 各回の会議のプログラム・・・意見が出易かったか、スムーズに議事が進行したかも含めて記録
- 計画変更したときの変更点とその理由
- その他・・・記録として残しておきたい項目
あらかじめ、このような項目を入れた表を作成したおくと便利です。項目の順番や数は状況に合わせて工夫し、手間がかかり過ぎず、無理のない形で続けることが肝心です。
記録を蓄積すればするほど、団体や組織の宝は増えていきます。それが、メンバー個々の「経験知」というもう一つの宝を生み出すことにつながるのだと思います。みなさんの宝がザックザックと増えていくことを心よりお祈りしています。