相田みつを的生き方

537202171db6faeea29d7924ef6179fd_s先日、「相田みつを」さんのご長男、相田一人さんの講演を聞く機会に恵まれました。子どもの立場から見た、書家であり、詩人である「相田みつを」の生き様に触れ、心が大きく揺れました。

栃木県足利市に生まれたみつをさんは、2人の兄の気遣いのお陰で進学できたものの、ある教師からの差別的な厳しい評価により、人生の歯車が狂ってしまったそうです。成績優秀で前途有望でしたが、当時、最重要とされた「軍事教練」という科目を落としたために、どの学校も受け入れてくれず、進学の道が完全に閉ざされてしまったといいます。戦時中という時代が生んだ悲劇です。

その後も幾度かの困難な状況に陥りながらも、「うまくいかない人生をどう生きるか」というテーマで、詩をつくり、独特な筆遣いの書の作品を生み出して「命の詩人」と呼ばれるようになりました。一人さんのお話では、みつをさんの作風は書道の基本をしっかり踏まえたもので、30畳のアトリエに籠り、書き損じの山を築きながら書き続ける毎日だったとか。息子さんと言えども、迂闊に声をかけられないほどの緊張感をもって、作品に向かっていたそうです。

講演会では、たくさんの詩が紹介されましたが、中でも心に響いたのは「めぐりあい」という作品です。

 

あなたにめぐり

あえてほんとうに

よかった

ひとりでもいい

こころから

そういってくれる

ひとがあれば

 

活字にすると味気ないですが、作品からは「情」と「エネルギー」が溢れ出ています。みなさんも是非、相田みつをさんの「ことば」にふれてください。うっかり見落としてしまった「何か」が見つかります、きっと。