自分の生き様を評価し、これからを考える

私の手元に「自分を記録するエンディングノート『人生の引き継ぎ帳』」(高橋憲一郎編著・CISC出版)があります。数年前に購入しましたが、未だに一行も記入していません。

このノートには、「家族のために書き残す」というキャッチコピーがついています。家族へ伝える情報を「家族への章」「自分史の章」「介護と看病の章」「葬儀と埋葬の章」「遺言の章」「暮らしと家計の章」に分けて記入するようになっています。全113頁のズッシリとした本で、人生を振り返るための手がかりになりそうな著名人のエッセイも掲載されています。

実はこれを購入したとき、別種のものを更に2冊購入。それを夫と母にプレゼントしたところ、2人とも戸惑いながらも書ける所から書き始めたようです。「他人に勧めながら自分はできない」という最悪なパターンです。

言い訳になりますが、決して書く気がないわけではありません。むしろその逆で、購入当時は書く気満々。すぐにでも始める勢いでした。しかし、なぜ未だに1項目も書けていないのか・・・ひと言で言えば、書かなければならない内容が「重い」「シンドイ」からです。自分の人生を振り返り、伝えたいことを考えるだけで、かなり心理的に重い作業になりそうで、なかなか書き始めることが出来ませんでした。

そんな棚上げ状態のとき、「相続」に関する講演会で新たな気づきを得ました。「私たちの生活は死の上に成り立っている。常に、『納得して死を迎える生き方』をしなければならない」ということ。また、相続する側は亡くなった親の「生き方や考え方、心情、思い、教えなどを正しく評価し、受け継ぎ、自分のものにしていくことが必要」でこれこそが「真の相続」だということ。単に金銭的な財産を引き継ぐことだけが相続ではなく、亡くなった親に対し「感謝すべきことを見出して、それを受け継ぐことが大切」とのことです。

「子どもに何を遺したいのか」。それを考えるとき、財産の明細も重要な情報ですが、親である私が何を考え、どう行動し、それにより何を得たのかを伝えることがより重要だと改めて感じます。自分の「人生をふりかえる」とき、「どうしても伝えたいこと」を判断基準にして、「人生を評価する」ことが必要です(これまで「人生の評価」という視点は持っていませんでした)。そして、それをエンディングノートにまとめておくことで、なかなか口では伝えられない「生きていくために必要な情報」を子どもに伝えることができるのではないかと思います。

「自分の生き様を評価し、これからを考える」。エンディングノートのためにも必要ですが、シニアからシルバーへの迷い道に踏み込んでしまった私の緊急課題です。